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【ぎょらん】町田そのこさんの小説『ぎょらん』をざっくり、まとめました。
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こんにちは。
しもやん(@shimoyan0101)です。
このブログでは書籍
『ぎょらん』を
ギュッとまとめて紹介しています。
ぎょらん
著者 町田 そのこ
見た目がイクラに似てるから
「ぎょらん」と呼ばれていたんだったか。
ぎょらん
ざっくりまとめしました。
6つの連作短編集
・ぎょらん
・夜明けのはて
・冬越しのさくら
・糸を渡す
・あおい落葉
・珠の向こう側
この中から3作ざっくり紹介します。
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ぎょらん
昨日、恋人が死んだ
付き合い始めて四年が経つ。
趣味である大型バイクで街を走っていたら
居眠りのトラックと正面衝突したのだという。
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事故った場所っていうのが、
自宅からすげえはなれたところでさ。
どうも、浮気相手に
会いに行こうとしてたんじゃないかって話。
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彼の骸(むくろ)の一番近くには
私より、いくつか年上の女がいて
それは彼の妻だった。
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なあ知ってるか?
あいつの浮気相手って
どうも、うちの会社の子らいしぜ。
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上杉くんの尖った声が、心臓に突き刺さった。
糸を渡す
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私はママのお人形じゃないよ!
気付いた時には、そう言って
母を突き飛ばしていた。
そんなに強い力ではなかったと思うけど。
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私がそんな態度に出ると思ってもいなかった
母はよろめいて
べたんと尻もちをついた。
真っ青になった私を見上げてくる
母の瞳に、見たこともない色が宿っていた。
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恐怖、絶望、哀しみ、
そんな色の瞳の中にいる自分が見えて
大変なことをしたと思った。
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「珠の向こう側」
母が泣いているのを、見たことがない。
子どもや動物が健気に生きていく
ドキュメンタリーを見るときなんかは
盛大に泣く、声をあげて泣く。
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私は言いたいのはそうことじゃなくて、
母が己のために泣いているを
見たことがないのだ。
今日も、そうだ。
癌が全身に転移して、
原発巣も分からなくなってしまっていると
告知を受けたのにもかかわらず、
母は「そうですか」と
少し哀しそうに言っただけだった。
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隣で聞いていた私は、
ただただ茫然としていた。
ふいに涙が湧いた。
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「いい加減泣き止みなさいよ。
たった今死ぬわけじゃないんだからさ。
それに、
親が先に死ぬのは自然の摂理でしょうよ」
私は何を見ていたのだろう。
母は永遠に老いず、死なないと
でも思っていたのだろうか。
こんなにはっきりと老いが忍び寄り、
病にむしばまれているというのに。
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まとめ
人が死ぬ瞬間に強く願ったことが
小さな赤い珠となって、この世に残る。
少しでも
興味を持ってもらえれば嬉しいです(^^)
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